季節ダミーを用いた貯蓄関数の推定では、季節ダミーを追加した貯蓄関数
(家計貯蓄)=β0+β1×(可処分所得)+β2×q1+β3×q2+β4×q3
ここで、季節ダミー
の推定を行いました。今回はこの季節ダミーについての仮説検定
を行います。つまり、貯蓄関数に季節性があるかどうかを検定するわけです。
仮説検定を行うには、帰無仮説のもとでの制約付きの回帰分析による残差平方和と、対立仮説のもとでの回帰分析による残差平方和が必要になります。
今回の場合、帰無仮説の制約のもとでは、季節ダミーなしの貯蓄関数の推定と同じになります。また、対立仮説のもとでの回帰分析は、季節ダミーありの貯蓄関数の推定と同じです。
では実際に検定を行いましょう。まず、データex3-5.xlsを保存し、季節ダミーを用いた貯蓄関数の推定と同じ方法で、季節ダミーなしの回帰分析と季節ダミーありの回帰分析を行ってください。今回はグラフを作成する必要はありません。
まず、帰無仮説の制約の下での回帰分析を行います。以下のような設定になります。
次に制約なしでの回帰分析を行います。以下のような設定になります。
回帰分析をそれぞれ2回行うと、セルC91~C154までに、帰無仮説のもとでの回帰分析による残差が、セルM941~M157までに、対立仮説のもとでの回帰分析による残差が表示されているはずです。これからそれぞれの残差平方和RSS(H0)と、RSS(H1)を計算します。
セルD91~D154に残差の2乗を計算します。次の式を入力し、下方向へコピーします。
セルD155に次の式を代入し、残差2乗和RSS(H0)を計算します。
同様に、対立仮説のもとでの回帰分析による残差の2乗和も計算します。次の式を入力し、下方向へコピーします。
残差2乗和RSS(H1)を計算します。
次に検定統計値を計算しましょう。検定統計量は
でした。ここでpは、帰無仮説における制約式の数、kは説明変数の数でした。よって、ここではp=3, n=64, k=4となります。よって、検定統計値をセルB158に計算すると、
となります。この値が棄却域に入るかどうかを調べましょう。この場合、検定統計量は自由度が(3,59)のF分布にしたがいます。ここではExcelを使って臨界値を計算してみましょう。ExcelにはF分布の分位点を計算する関数「FINV」が用意されています。FINVは
「=FINV(上側確率, 自由度1, 自由度2)」
のように使います。自由度(3, 59)のF分布の上側5%点をセルB159に求めてみましょう。
求められた2.76という値は検定統計値より明らかに小さい値です。したがって、検定統計値は棄却域に入り、帰無仮説が5%の有意水準で棄却されることがわかります。つまり、季節ダミーは0ではないということです。

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